NEDO委託事業-200331
- 研究開発の背景
未利用熱回収や再生可能エネルギー利用では高効率・高耐久な熱交換器が求められています。
従来の「受け身的な採熱のパッシブ型熱交換器」の場合、地熱利用では「スケール」、潜熱蓄熱では「凝固層」、排熱回収では「凝集堆積物」などの固相が伝熱面に生成し熱移動を妨げるため定期的な分解清掃・更新が必要です。
本研究開発では、伝熱面への固相生成を抑制可能な「積極的に採熱するアクティブ型熱交換器」を開発します。 - 研究開発の内容と目標
回転円筒式伝熱管および固定羽根を用いて機械的に表面を掻き取ることで連続的に伝熱面を更新し、長期間性能を維持可能な「固相生成制御型回転円筒式熱交換器」を研究開発します。
「温泉地での長期熱交換試験」「耐久試験」を行い、固相生成制御特性を実証するとともに、実用化に必要な課題の抽出を行います。
また、「流動測定」「数値計算」を駆使した回転円筒式熱交換器の伝熱機構解明を行い、設計指針の確立および熱交換器の高性能化を行います。 - 研究開発項目
1. 表面更新型回転円筒式熱交換器の開発
2. 蒸発系熱媒型回転円筒式熱交換器の開発
3. 温泉熱回収への適用試験
4. 耐久性調査、各種熱交換器との比較
5. 市場調査、課題抽出、ロードマップ作成 - 研究開発の実施体制
国立大学法人東北大学、多元物質科学研究所、株式会社馬渕工業所
研究開発テーマ:2019年度「エネルギー・環境新技術先導研究プログラム」固相生成制御型回転式高耐久・高速熱交換器の研究開発
NEDO委託事業関係者集合写真(長崎県雲仙市小浜町にて)